『アーカイブズとアーキビスト—記録を守り伝える担い手たち—』を読んで

仕事は回ってくる。

2007年5月15日、私は、創立100周年記念事業の提案にかかる、「『デジタル・アーカイブズ』の構築に向けて」という文書を書いていた。
それから13年経った2020年4月1日、上智大学史資料室がソフィア・アーカイブズに改組され、2021年12月にデジタル・アーカイブズを立ち上げる予定で準備を進めている。

仕事は言った人に回ってくる。
2020年4月1日、ソフィア・アーカイブズの一員になった。

期せずして、上智大学中央図書館の新刊図書コーナーで、『アーカイブズとアーキビスト—記録を守り伝える担い手たち—』(大阪大学アーカイブズ編、大阪大学出版会、2021年)を手にした。早速に読み始めた。

この本の第二講、第三講は公文書の管理、保存、そしてこれに関わる管理制度。私個人の業務としては、文書管理や個人情報管理には直接関わったが、情報公開については、学内制度の整備には至らなかった。
第五講は、「何を残すべきか」という問い。本学の文書等管理規程の最後には、

(移管)第32条 本学院の全ての文書等(秘密文書、稟議、決裁伺い及び供覧を含む)のうち歴史資料として重要なものについて、保存期間(延長された場合にあっては、延長後の保存期間)が満了した場合には、ソフィア・アーカイブズ館長と協議のうえ、ソフィア・アーカイブズに移管するものとする。

と規定している。「何を残すべきか」、「歴史資料として重要なもの」の定義と基準は難しい。
第六講は自治体史編纂からみた公文書保存。ここで「歴史公文書等(公文書管理法第2条第6項)、「特定歴史公文書等」(同7項)が論じられるが、歴史公文書を取り巻く環境の変化は速く、多くの課題も指摘している。
第八講ではデジタル時代のアーカイブズとアーキビスト。これまでシステム開発やその運用、保守に関わってきたが、デジタル記録の管理や公開について、アーカイブズやアーキビストの視点からその「枠組み」を考えこなかった、と自らを振り返る。そのような状況の中で先の文書、「デジタル・アーカイブズの構築に向けて」を書いていたのだ。デジタル・アーカイブズの目的や利用者の決定の第0段階から、計画、実行、運用、共用、更改の各段階について原案を考えてみた。これまた自らを振り返った。

『アーカイブズとアーキビスト—記録を守り伝える担い手たち—』には、「わかりやすく解説した入門書である」、「本書を手にした方に、アーカイブズとアーキビストに対して関心を呼び起こされることを期待している」とある。

回ってきた仕事を楽しみながら、「記録を守り伝える担い手」としてソフィア・アーカイブズに関わっていきます。今後ともご支援、ご協力をお願いいたします。(木村)

【資料情報】『アーカイブズとアーキビスト—記録を守り伝える担い手たち—』……大阪大学アーカイブズ編、大阪大学出版会、2021年、全234ページ、2090円

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